2014年9月3日水曜日

4.「ふるまい」の関係をつくる


私達は設計するにあたり、その場(建築的環境・自然環境・・・)で生まれる(誘発される)「ふるまい」から考えるということからはじめます。そしてそれは、一つの行為ではなく、連続し、関係しあっています。その関係を図にしたのが「ふるまい関係図」です。


振る舞い関係図ダイアグラム

私達はコンセプト「ゆっくり島時間」を元に、起こる「ふるまい」をブレインストーミングによって引き出しました。


ブレストの様子の写真

具体的には以下の様な「ふるまい」が書き出されました。


特記:
「観光客(島外の人)が島民に喋りかけられ談笑する」
「観光客が島民からおすそ分けをもらう」
「島民の子どもたちがたわむれながら宿題をする」
「観光客が開店時間をすぎてお店が開くのをまつ」
「おじい・おばあが三味線を弾いてエイサーを踊る」
「観光客がエイサーを教わる」
「島民が風呂あがりにオリオンビールを飲む」
「観光客がゆっくり星空を眺める」…等


「ゆっくりな時間(スローライフ)は様々な「ふるまい」の連続で感じられるものであるべきだ。そこから「主なるふるまいを導き出したい。」ということから、コンセプトである「石垣島のゆっくりな時間(スローライフ)」を感じるためのフローを出し合い、似ているものを統合していくことによって、以下の4つのグループに分けられました。




Aグループ:食べる前も後も気持ちの良い食のふるまい
Bグループ:文化を知って、人と出会って大自然に浸る遊びのふるまい
Cグループ:石垣島ならではのコミュニケーションが出来る買うのふるまい
Dグループ:様々な人、自然<光•風>と関わりながら研修する

4つの「ふるまい」に分けられた。


このフローから生まれる「ふるまい」をブレストで出しあった「ふるまい」から抽出当てはめ直し、「ふるまい」同士の関係性をつなげていきました。
こうすることによって、その中の「主なるふるまい」を定義していきます。
その「ふるまい関係図」を以下のようにコンセプトと照らし合わせながら設定しました。



コンセプト決定時の「ふるまい」関係図


以下「ふるまい関係図」の「主なるふるまい」との間や中に生まれる「ふるまい」です。

■関係性B-C
B:石垣島ではパイナップルやドラゴンフルーツ、ゴーヤなど、島で生産されている農作物を譲り合う振舞いを散見できる。
Bの振舞いグループの中にある「もらう」、「飲む」という振舞いは現地に住まう島民たちが日々行う。その振舞いをなぞらえたものである。

C:Cの振舞いグループにある観光客の買うという振舞いの一方、島民は商品を売る「ふるまい」を行う。
関係性B-C:Bの振舞いグループとCの振舞いグループを隣接させることによって、
島民と観光客が干渉し、観光客が何かをもらうという石垣島特有の振舞いが発生することを期待する。



■関係性B-C-D
石垣島の景色を眺めてくつろぐこと、まさにスローライフ。石垣島を堪能できる最高の振舞いである。観光客が島民と語らいながら、酒を飲み、自然を享受し、島特有の時間感覚に酔いしれる。

B:身体を動かし、遊び疲れた観光客。
C:刺激を求め、はるばる渡航してきた研修者。
D:会話の大好きな島民。
関係性B-C-Dこの三者が交わる振舞いを期待する。




おおきな「ふるまい」の中の具体的な「ふるまい」

「ふるまい関係図」はフェーズを上げ、統合が図られる度にその都度更新されていきます。

このような「ふるまい」を想定し、関係性を創造します。

代表

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